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by epiplectic3110
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白い花 月の明かり
月夜の晩 僕は一人柿の木の下にいる
爛熟したその実は 甘い腐臭を漂わせる

眼前には 一面の曼珠沙華
真っ赤な花が 月に照らされている


背後にせまる暗い森からは
遠くトラツグミの鳴き声が聞こえる

僕は曼珠沙華をかき分けて
遠い森へと向かう

血のようなその花をかき分けて
赤い暗闇を突き進むと

突然一輪だけあらわれる 白い花
サボテンのような葉から陶然と咲く 月下美人

僕はその前にひざまずき
やさしく いとおしく
その羽のような 純白な花弁をなでる


月下美人は 月夜にだけ咲き
翌朝になればしおれてしまうという


僕はそこに腰を下ろし
暗い森を背に 月を眺めた

今日一晩この花のそばにいよう
この花が落ちてしまうまで ここで座っていよう

そうすればきっと今宵は
あのトラツグミの声に 誘われないから
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by epiplectic3110 | 2005-10-14 21:57 | 月の下に棲むものたち
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